Faculty of Science and Engineering
理工学部
理工学科

学部長メッセージ

高校で学ぶ理系の内容は約200年前のものが多く、そのままではあまり世の中の役に立ちません。
では、受験勉強は役に立つの?と思うかもしれませんが、その内容を基礎として大学で学ぶことを発展させて、キャッシュレス社会、省エネ家電、エコカーなどが開発され,科学における新発見がなされています。
世の中で役に立つものを開発する、人類にとって未知なものを発見する基礎力を身につけるため、受験勉強を頑張りましょう!
理工学部 学部長
佐藤 和也
理学と工学を融合し、希望に満ちた未来を創造する。
理工学部は、建学時から理学と工学の融合をテーマとしてきました。地球上の生き物や環境と共生し、新たな希望に満ちた未来を創造していくには、双方の領域で自在に思考できる「知」が必要不可欠です。理学で原理を学び、工学で応用技術を学び、「知」のハーモニーの中から次の世界を生み出す「人」が育っています。本学部は、現在13コースにおいて21世紀の高度科学技術時代に活躍できる人材の育成と、知的創造を目指して教育研究を行っています。理学と工学のコースが同一学部にあるという特色を最大限に発揮し、科学と技術の融合による基礎科学とハイテクノロジーの推進を旗印に、ユニークな教育と研究に意欲的に取り組んでおり、まさに時代の要請に応えることのできる体制といえるでしょう。
教育目的
理工学部は、幅広い教養と理工学基礎力を土台として、多面的視点を持って社会の広い分野で活躍できる科学・技術の専門的素養を持つ人材を育成することを目的とします。これを実現するために1学科13コースの教育体制を取り、1年次は共通の講義で基礎学力を整え、2年次のコース配属によりそれぞれの希望する専門に分かれて教育を受けます。
在学生インタビュー

将来は化学系の仕事に就き
生活や社会に貢献できる仕事がしたい。
学びたい学問があったこと、佐賀大学の周辺環境が地元ののどかな雰囲気に似ていたことから、本学部に進学しました。特に、有機化学の授業や金属錯体の再結晶化実験が好きですが、自分が受けたかった授業や研究に取り組むことで、将来に活かせる知識や教養をしっかりと身につけることができていると感じています。また、同じコースの勉強熱心な友人と関わることで、モチベーション向上にもつながっています。将来は学部から大学院に進学し、修了後は化学系の企業への就職を希望しています。ここで得た知識や経験を活かし、身近なものや社会に貢献できるものを作りたいと思っています。
理工学科 生命化学コース
石川 聖真 愛媛県 新居浜東高等学校出身

インタビュー動画も
ご覧いただけます
「やりたいこと」が必ず見つかる多彩な13コース

専門性の高い13のコースで
「やりたいこと」が
必ず見つかる
011年次にさまざまな入門科目を学び
自分の「やりたいこと」に
向き合える
1年次には、理工教育の要である数学、物理、化学、生物、データサイエンスなどを学び、基礎力を強化。さらに、13の専門コースの教育研究内容に少しずつ触れることで、1年を通して「自分が何をやりたいのか」考える時間を持つことができます。自分自身の希望とじっくりと向き合い、2年次のコース選択に臨めるのが佐賀大学理工学部の特徴のひとつです。
02数理・データサイエンス・AIの実践的応用を学ぶ
データサイエンス教育プログラム(応用基礎レベル)
理工学部が実施する「佐賀大学データサイエンス教育プログラム(応用基礎レベル)」は、文部科学省より「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(応用基礎レベル)」に認定されています。このプログラムは、数理・データサイエンス・AIに関する基礎能力を有するとともに、これを自らの専門分野や関連分野などへ応用・活用して、様々な問題解決や価値創造などを担う人材を育成することを目的としています。対象は令和4年度以降に入学した新1年生全員で、地元IT企業と連携した独自の教育が展開され、事前のプログラム登録なしで、修得した単位はすべて卒業単位に算入され、認定の修了証が発行されます。
03特別選抜で女子枠を新設
理工学分野での女性の活躍に期待
佐賀大学理工学部では、女子学生が学びやすい温かい雰囲気を大切にしています。2023年のデータによると、女子学生の比率は17.7%であり、九州地区の国立大学工学系学部の女子学生比率の平均値14.8%と比較しても高い状況です。さらに、特別選抜入試における女子枠の新設により、女子学生比率を増やしていきます。理工系の分野に情熱を注ぐ女子学生たちが、STEAM(Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics)の各分野で自らの才能を存分に発揮できるよう、理工学部では様々な支援をしています。生命化学や建築環境デザインを含む多岐にわたるSTEAM分野での女子学生たちの活躍を心から応援し、彼女たちの学びと将来への道のりを温かく見守っています。

04理工学部で行われているさまざまな研究テーマ
13の多彩なコースを持つ理工学部では、それぞれのコースによって研究内容も多種多様。どのような内容があるのかをしっかり事前に確認して、自分が一番興味を持てる内容を選ぶことができるのも魅力のひとつです。理工学部の教授たちが現在取り組んでいる研究テーマの一部を紹介します。
素粒子を探究し
宇宙の起源を解き明かす
理工学部 理工学科
物理学部門
船久保 公一 教授
私の研究分野は素粒子論的宇宙論です。素粒子物理学は物質の究極の姿とそれを支配する法則を探求する学問で、日本はこの分野のノーベル賞受賞者を輩出してきました。また、ここ10年来の観測技術の進展により、宇宙の中に原子核や電子といった既知の物質のほかに、未知の形態のエネルギーや未知の物質がどれほど存在しているかがわかってきました。私は素粒子論をベースに、宇宙の物質の起源を解き明かそうとする研究に取り組んでいます。
カメラとAIで力加減を
判断する「スマートハンド」
理工学部 理工学科
数理・情報部門
福田 修 教授
事故や病気で腕を失った人にとって、「義手」は重要な存在です。しかし、現在の義手は力加減がうまくいかないなどの課題があります。そこで、義手に「頭脳」を持たせる「スマートハンド」の研究を始めました。カメラ映像をAIにディープラーニングさせる「物体認識」の技術が急速に進歩しており、今後IoT技術で義手とAIとをつなげば、やがて本物の手と同じくらい的確に動かせる義手が実現するでしょう。
エネルギーを効率化できる
ダイヤモンド半導体の研究
理工学部 理工学科
電気電子工学部門
嘉数 誠 教授
地球環境にやさしい社会にするために、新幹線や電気自動車やエアコンなどの機器で貴重なエネルギーを効率よく使っていくことがますます求められています。現在は、そこでシリコン半導体が広く用いられていますが、ダイヤモンド半導体に代えることができれば、エネルギー効率が格段に向上することがわかっています。佐賀大学では、5年、10年先の実用化を目指して、世界最先端のダイヤモンド半導体の研究をしています。
建築×まちづくりデザインで
喜ばれる「まち」をつくる
理工学部 理工学科
都市工学部門
三島 伸雄 教授
「建築デザイン学」では、新しい建物を造ったり街並みの一部を変えることで「まちを元気にする」手法を研究しています。観光地再生の成功例として、佐賀県鹿島市の「肥前浜宿」があります。古い酒蔵を生かしてイベント会場にするなど酒蔵を中心としたまちづくりを推進し、多くの観光客が訪れるようになりました。まちのよさや住民のニーズなどを総合的に判断しながら、まちづくりを行っていく研究です。
05半導体の魅力や将来性を学ぶ
「半導体概論」の開講
半導体は、AI・5G・自動運転・ロボティクス・DX・ビッグデータ・スマートシティなどを活用した持続可能な社会を創造するために重要な基盤です。理工学部では全分野の学生を対象に学部共通基礎科目(導入科目)として「半導体概論」を開講しています。「九州半導体人材育成等コンソーシアム」や「さが半導体フォーラム」、「九州半導体・デジタルイノベーション協議会(SIIQ)」と連携し、第一線で活躍されている方々に講師として登壇いただき、半導体の魅力や将来性を学ぶことができます。
施設紹介

生命化学実験室
生命化学コースと応用化学コースの2年次や3年次が、各コースの専門内容を理解するために実験を行う施設です。

「いぶき」データ地上検証用
レーザレーダ観測施設
JAXAや国立環境研究所と共同運用している施設。紫外~近赤外の光を成層圏下部まで照射して、上空の黄砂やPM2.5等のエアロゾルやオゾンの濃度を観測します。

講義室
理工学部講義棟にある学部開講授業を行う講義室です。講義棟にはこのほかに、大小合わせて12講義室があり、自習室やリフレッシュルームも備えています。

製図室 (都市工学デザインファクトリー)
建築環境デザインコースの「建築都市デザイン演習Ⅰ・Ⅱ」「建築環境デザインユニット演習」は、学生一人につき一台ずつの机が用意された製図室で行われます。
OB・OGインタビュー

福博印刷株式会社
ビジネスソリューション事業部
(佐賀大学 理工学部特任講師)勤務
大村 肇さん
理工学部 知能情報システム学科
2014年3月卒業
[業務内容]
画像認識AIを活用し、お客さまの様々な課題を解決するための業務に従事している。
企業と大学を産学連携でつなぎ
専門技術・知識で地域課題を解決に。
現在は、画像認識AIを開発・活用するAIリサーチャーとして企業で働く一方、本学の特任講師としても勤務しており、AIエンジニア・データサイエンティストとして座学では学べない内容を学生に講義しています。在学中に学んだ画像解析の知識とプログラミングの技術が、今携わっている画像認識AIの開発に大きく活かされています。大学時代はとにかく研究に没頭しました。研究を国際会議の論文にまとめ、その成果を海外で発表できたことは貴重な経験であり、私のキャリアにおいても非常に重要なものとなりました。今後は、企業と大学の両方で働く立場から、産学連携を通じて地方の課題解決に貢献したいです。具体的には、お客さまの相談を企業が受け、それを共同開発として大学に持ち込み、開発や課題解決を図るサイクルを構築するのが、今の目標です。