RESEARCH 佐賀大学の研究

ドラマのモデルにもなった
空飛ぶ医師を中心に
佐賀ならではの
医療システムを構築

医学部 医学科 救急医学講座

阪本 雄一郎 教授

医科大学千葉北総病院勤務時に日本で初めてのドクターヘリを導入し、その後、本センターのセンター長に就任。ドクターヘリをテーマにしたドラマ「コードブルー」のモデルでもあり、その活動は空飛ぶ医師として評価が高い。

2015年、九州で3番目、佐賀県では初の高度救命救急センターの認可を受けた佐賀大学医学部附属病院。
そのセンター長を務める阪本雄一郎医師のもと、佐賀県や医師会、消防署や地域住民と連携しながら、独自の医療システムを築いてきました。

イザというときに頼れる高度救命救急センター

本センターでは、以前から病院前診療に力を入れてきました。病院前診療は、患者が病院に着くのを待つのではなく、医師や看護師が治療を必要とする患者のもとに出向いて治療にあたるシステムです。そのため、2011年には医師が同乗できるワークステーション式ドクターカーを導入し、2014年にはドクターヘリの運行を開始しました。ドクターヘリは、年間500回程出動しています。
さらには、佐賀県内の救急告知病院の現場状況をリアルタイムで確認できるシステムを構築して救急搬送の見える化を行い、患者をスムーズに受け入れられる医療体制の構築を佐賀県全体で行っています。

DMATやドクターヘリなど柔軟な機動力で緊急時の力に

本センターでは、国内外の災害時におけるDMAT(災害派遣医療チーム)派遣やドクターヘリの活用を積極的に行っています。熊本地震時には依頼患者をスムーズに受け入れ、令和6年1月に発生した能登半島地震では医師1名、看護師2名、薬剤師1名で編成したDMATチームを派遣し、災害現場で活動支援にあたっています。この能登半島地震の支援に関しては、DMATに対して厚生労働省より感謝状が贈られました。

日々の暮らしにも寄り添う地域医療を

災害関連死をゼロにする地域連携プロジェクト会議
災害時や事故だけではなく、地域の人々の日々の健康を支えるのも佐賀大学医学部附属病院の役割であり、連日多くの患者を受け入れています。
また、高齢者や認知症の方が自分の意思を伝えるための「終末期カードゲーム意思決定ツール開発」を佐賀県や本学の芸術地域デザイン学部と連携して行ったり、災害時に地域の人々の命を守る「災害関連死をゼロにする地域連携プロジェクト」に取り組んで地域防災力の向上を目指すなど、様々な方面から地域医療に貢献しています。
本センターは、緊急時の高度救命救急センターとしても、地域の総合病院としても、他県に先駆けた医療システムの構築を行っています。