写真:築山 実緒
生物科学コース
築山 実緒 福岡県 城南高等学校出身

暮らしを豊かにする地域創生のチカラを身につける。

21世紀は、人類が大量生産・大量消費・大量廃棄型社会から循環型社会へと大転換する時代です。「食料」「生命」「環境」「情報」「エネルギー」および「地域社会」等どれをとっても、今ほど人類がその重要性を強く意識した時代はないでしょう。そして、これらの課題こそ農学が得意とするところであり、時代は農学の発展を必要としています。農学は、理系から文系にわたる分野を含む、基礎から応用におよぶ総合科学です。農学部には、「食料」「生命」「環境」「情報」「エネルギー」および「地域社会」を対象とするさまざまな教育研究分野が揃っています。本学部だけでミニ総合大学といっても過言ではありません。入学した皆さんの希望する分野がきっと見つかるでしょう。

教育目的

農学部では、農学および関連する学問領域において、多様な社会的要請に応えうる深い専門性と幅広い素養を身に付け、国内外での農業および関連産業の発展に貢献する人材を養成することを目的とします。

在学生インタビュー

永木 美翔

学ぶことの喜びと感動を知って成長。
今、将来のために力をつけています。

高校の時から得意だった生物学をより専門的に学びたいと思い、農学部に進みました。中でも食品や製薬関係に興味があったことから、生命機能科学コースを選択しました。特に好きな授業は分子生物学です。高校の時より内容が濃くて難しいですが、理解できた時の喜びや、今まで知らなかったことを詳しく知れた時の感動が大きく、夢中になれます。実験も一人ではなく複数で協力しながらの研究なので、和気あいあいとした雰囲気で取り組めています。将来の進みたい道はまだ明確になっていませんが、やりたいことが見つかった時に問題なく進むためにも、幅広い知識を身につけたいと考えています。

生命機能科学コース
永木 美翔 長崎県 佐世保西高等学校出身

永木 美翔

インタビュー動画も
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より深い知識と技術を得る、厳選された4コース

生物科学コース

植物、動物から微生物にいたる様々な生物の特性解析と生命現象の解明を行い、新品種育成や栽培技術開発及び病虫害防除などの農業生産性の改善に応用する教育研究を行うコースです。

食資源環境科学コース

食料生産および環境保全に関する専門知識と、これらの実践的活用を身に付け、地球規模課題である環境保全、エネルギー、農業生産システムに関する先端技術の開発と利用を推進する教育研究を行うコースです。

生命機能科学コース

生化学や分子生物学を基礎として、微生物からヒトにわたる幅広い生物の生命現象のしくみや機能の解明を行うとともに、それらを応用した食品機能の追求と開発、食品の安全性、バイオマスの利用について教育と研究を行うコースです。

国際・地域マネジメントコース

地域の農業生産や環境保全などに関する自然科学的な技術や知識をどのようにして社会に実装し、地域社会の持続的な発展や人々の健康的な暮らしに結びつけていくことができるのかを教育研究するコースです。そのため国内外でのフィールドワークを重視したカリキュラムが特徴です。文系出身の学生であっても農山漁村の現場で国際的に活躍したいと考えている人にチャンスが開かれています。

さがつくポイント

充実の設備で実践学習
体験し、学び、身につける

011年次に各専門科目の
基礎を学びながら
自分の希望コースをじっくり選択

農学部には「食料」や「生命」「環境」「情報」「エネルギー」および「地域社会」など、それぞれ特色が異なるさまざまな研究分野があります。そこで、まず1年次に農学の基礎科目である生物学、物理学、化学を必修とし、深い専門性を身に付ける素地を構築。専門導入科目で農学に関する基礎知識を幅広く十分に修得したうえで、2年次の専門コース選択へと進みます。

[4年間の学び]

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02国際社会でも広く活躍できる人材を育成

  • アジア・フィールドワーク

    地域社会における人々の生活・生業・環境・健康問題をグローバルな視野で考察する基礎力を養うため、アジア各国の農山漁村でフィールドワークを行います。現場での調査活動や現地の学生らとのディスカッションなどを通じて、持続可能な社会のあり方について考えます。

  • 国際・地域インターンシップ

    外国語でのコミュニケーション能力の強化と、地域社会の人々との協働に重点を置いた国内外でのインターンシップを実施します。地域のさまざまな企業や団体、開発の現場で通用する応用力と実践力を身に付けます。

03佐賀県を代表する
「ノリ」「大豆」や「米」を
研究する地域特化型農水産研究

佐賀県域の農水圏生物生産や利用技術等をより高度にしていくための試みが、地域特化型農水産研究です。さまざまな問題を抱える地域の農・水産業の課題解決・発展を図ることを目的としています。佐賀県の主力農産物のひとつである米や大豆についての研究を進め、佐賀大学発の農産物ブランド化戦略を行っているほか、水産学では水産物の高品質・安定生産を目指して、ノリや二枚貝等の遺伝子解析や代謝解析を実施。佐賀県のノリを中心とした水産業を振興するため、ノリ研究に特化した人材の育成・輩出も行っています。佐賀県が誇る農水産物をさまざまな角度から研究することで、地域の発展に寄与します。

04「米」や「大豆」の
品種改良の取り組み
自分たちで
オリジナル品種の開発も

多様化する消費者ニーズに対応するために、米や大豆などのオリジナル品種の育成を目指して、学生自ら育種技術の開発や栽培技術の開発に取り組みます。附属アグリ創生教育研究センターで、実際にフィールド研究や遺伝子解析を応用した先端的な研究を行うことで、実践的な力も身に付けることができます。

農学部開発のオリジナル品種・商品

  • 計画・実行・評価・改善を
    繰り返し育てる「オリジナルダイズ」

    遺伝資源を活用した画期的品種の育成を目指し、機能性ダイズ品種の開発に着手。栽培試験やデータ解析、植物工場におけるコストと生産物品質の検証、その後さらに改善を繰り返して、独自性が高い高付加価値なブランド品種育成に取り組んでいます。

  • 佐賀大学ブランドとして
    親しまれている清酒「悠々知酔」

    毎年、地元の酒造会社と協力して行う佐賀大学ブランドの清酒。原料の米選びから酒造会社との打ち合わせまで農学部の生徒が主体となって行います。「The SAGA認定酒」として一般の方にも販売されており、毎年多くの人々から好評をいただいています。

「悠々知酔」の企画から
販売までのプロセス
  1. 企画

    テーマを話し合いで決定

    これまでの研究成果を取り入れて、どのような酒を造るのか、そのためにはどのような戦略を練るべきかを、学生主体で話し合います。

  2. 醸造(造り)

    酒造会社に協力を仰ぎ、共同作業

    酒造メーカーにアポイントを取り、仕込みなどの打ち合わせ。スケジュールも細かく決めていきます。

  3. 製品化・販売

    ようやく完成後一般の方にも販売

    完成後は、佐賀大学生活協同組合のほか、一般の方にも手に取ってもらえるよう佐賀市内の酒販店で販売。

05広いフィールドから
最新鋭の植物工場まで完備

土の感触を確かめ、動物とじかに触れ合うことができる「附属アグリ創生教育研究センター」をはじめ、2019年にはIoTを駆使した先進農業の研究開発に取り組める最新鋭の太陽光型植物工場を本庄キャンパスに開設。農業とは何か、ということに実際に取り組みながら触れていくことで、農業の未来を担うための実力を養います。

附属 アグリ創生教育研究センター /
太陽光型植物工場

  • アグリ創生教育研究センター

    圃場を利用して作物や
    果樹の栽培研究を実践的に学習。

    広いフィールドを使っての農業学習のほか、食品加工などのプログラムにも取り組みます。

  • アグリ創生教育研究センター

    JCCと連携し、農産物に
    含まれる機能性成分を研究。

    ジャパンコスメティックセンター(JCC)と共に、化粧品素材としての成分研究を進めています。

  • 太陽光型植物工場

    最新の施設生産技術を
    学ぶ植物工場。

    農業新時代に対応するために開設された太陽光型植物工場。先端農業に触れられる実習施設です。

施設紹介

複合環境制御室

複合環境制御室

温室内の環境要因(温度、湿度、二酸化炭素、光量、水量、肥料)をコントロールしながら、植物の生育に最適な環境条件を解析します。

ガラス温室

ガラス温室

ミカン亜科植物やダイズなどの有用遺伝資源を保存するためのガラス温室です。これらの遺伝資源を活用し、次世代の新品種育成や新しい栽培技術の開発を行います。

藻類培養用恒温室

藻類培養用恒温室

有明海を代表する食材海苔(スサビノリ)・植物プランクトンなどの藻類を培養する恒温室です。ノリの新品種開発や藻類の機能などを解析するための培養を行っています。

人類生態学演習室

地域社会開発学演習室

各自のフィールドワークの結果をそれぞれのゼミで発表し、討論することによって議論を深めるため、演習室では学部生や院生による活発なゼミが行われています。

OB・OGインタビュー

明石 夏澄さん

株式会社海の中道
海洋生態科学館
マリンワールド海の中道 勤務
明石 夏澄さん
応用生物科学科 2017年3月卒業

[企業内容]
1989年に開館した福岡市東区にある水族館。日本初のダイバーショーを開催するなど、ファミリーが楽しめるイベントも豊富。

フィールドワークなど大学での経験が
今の仕事に役立っています。

大学時代で特に印象に残っているのは、ほぼ毎日過ごした研究室での日々です。月に1回はフィールドに出かけて、データを回収したり調査したりするのは楽しくもきつくもあり、やりがいがありました。その時間を過ごすことで、昔から考えていた「飼育員さんになる」「水族館で働きたい」という気持ちがさらに強くなったと思います。長年の思いが叶って今は地元の水族館・マリンワールド海の中道の飼育員として、大水槽、ウミガメ、クラゲ、深海生物、淡水魚を担当しています。餌やりや健康管理のほか、マイクを持って解説したり、フィールドで採集したりと、仕事内容はさまざま。覚えること・やることがたくさんあり、潜水士の資格も取得しました。大学時代に淡水魚を研究していたことが、今になって生き物の飼育や保全に非常に役立っています。将来は、当館の淡水魚展示の魅力度をもっとアップさせ、多くの人に見てもらいたいです。